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高齢者の免許更新について

道路交通法改正について

近年では高齢者による交通事故の割合が増加傾向にあります。
その事故の原因は認知機能(運転に必要な記憶力、判断力)の低下が疑われるものも多いことから、平成29年3月12日から高齢運転者の運転免許制度が大きく変わりました。

この改正は悲惨な交通事故を防止するため、安全運転指導や医師による認知症の診断により、高齢運転者支援を行うものです.
改正後は75歳以上の運転者は、免許を更新する際、特定の交通違反や事故をしなくても全員が認知機能検査を受けることになります。
この認知機能検査で運転に必要な記憶力・判断力が「低くなっている」と判定された方は、全員が医師による診断書の提出が必要となり、認知症と診断された場合は運転免許の取消や停止の処分を受けることとなります。もちろん認知症でないとの診断を受ければ高齢者講習を受講し、免許の更新が行えます。

また、75歳以上の方が認知機能が低下すると行われやすい特定の交通違反(事故)をした場合、臨時認知機能検査を受けることとになります。

特定の交通違反(事故)とは、

信号無視 指定通行区分違反
 合図不履行  安全運転義務違反
 一時不停止  遮断踏切立ち入り等
 通行区分違反  交差点安全進行義務違反
 徐行義務違反  横断歩道等での歩行者等の妨害
 通行禁止等違反  環状交差点安全進行義務違反等
 進行変更禁止違反  左折時、直進車や左折車への進行妨害
 左折または右折違反  横断歩道のない交差点での歩行者の横断妨害

※臨時機能検査の内容は更新時の認知機能検査と同じものです。

この検査で前回の認知機能検査より低い判定結果となれば、臨時高齢者講習を受講することとなります。また、この臨時認知機能検査においても認知機能が低くなっていると判断された方は、更新時と同様に医師による診断書の提出が必要となります。この場合も、認知症と診断されれば免許の取消や停止になります。

認知症でないとの診断を受ければ2時間の臨時高齢者講習を受けることとなります。
この臨時高齢者講習とは、実車指導1時間と個人指導1時間の講習で安全運転を確認するものです。
高齢者が絡む悲惨な事故が後を絶たず、高齢運転者が関係する事故の割合は増加しています。

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自分のため、大切は家族のためにも、悲惨な交通事故を無くしましょう

認知症と診断され、運転免許証を取り消される高齢者のその後の生活の問題について

認知症と診断されたのちも、高齢者は地域で暮らしていく。

特に公共交通機関の少ない地方では一人暮らしや夫婦のみの世帯も増えており、交通手段を失った高齢者をどう支えていくか。という心配の声が目立ちました。

車がないと買い物や通院もままならず生活ができない高齢者が出てしまいます。

この様な声から、免許取り消しとなる高齢者と地域の保健師らの話し合いの場を提供している県もあるようです。また、免許がなくなって困ることを具体的に挙げてもらい身近に利用できる買い物支援や介護保険サービスなど解決策をみいだしてそこに繋げていくという取り組みもあります。

新制度導入の背景には、
高齢ドライバーの増加に伴い認知機能低下が原因とみられる死亡事故が多発している事があります。全国の認知症の高齢者の数は2012年時点で累計おそよ462万人、2025年には700万人にも達するとみられており、高齢になるほど発症率が高まります。
影響を受ける人が多いので社会全体に周知を徹底し免許を失った場合の高齢者の交通手段などを確保できるよう街づくりを進める事が重要です。
新制度の導入を前向きにとらえ、事故の減少と共に認知症を早期に発見し、早期支援に繋げるような地域づくりのきっかけにする事が一番大事だと思います。

認知機能検査とは

認知機能検査は、今日の日付を書かせたり、動物・果物などイラストを見せた後にその内容を思い出させたりして記憶力や判断力を調べるもので、「認知症の恐れあり」「認知機能が低下」「問題なし」の3段階で判定されます。

検査は公安委員会(警察)又は委託された教習所等で受けることができ、「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描画」という3つの項目があります。所要時間:約30分

検査は検査員の説明を受けながら進みますので、特別な準備は不要です。また、検査員が丁寧に読み進めてくれるので安心です。

認知機能検査用紙にんちしょうきのうけんさけんさようし
名 前なまえ  
生年月日せいねんがっぴ  明治 めいじ
 大正 たいしょう
 昭和 しょうわ
  ねん  げつ  
 性 別せいべつ  1 男 性だんせい
 2 女 性じょせい
 普段ふだん
くるま
運転状況うんてんじょうきょう
 1  しゅうに1 回以上運転かいいじょううんてん
 2  つきに2 回程度運転かいていどうんてん
 3  つきに1 回程度運転かいていどうんてん
 4  2、3かげつに1回程度運転かいていどうんてん
 5  ほとんど運転うんてんしない
諸注意しょちゅうい
指示しじがあるまで、用紙ようしはめくらないでください。
こたえをいているときは、こえさないでください。
質問しつもんがあったら、げてください。

時間の見当識(所要時間:3分)

検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。



手がかり再生(所要時間:約14分)

手がかりをもとに記憶を再生する検査で計16種類のイラストを記憶します。イラストを覚える為のヒントも出ますので、そのヒントを手がかりに記憶していきます。介護課題の後で、どれだけ記憶しているかの検査を行います。

イラストのパターンはパターンA、パターンB、パターンC、パターンDと4種類あり、いずれか一つのパターンで検査が行われます。

パターンA  ※絵をクリックすると拡大します
パターンB  ※絵をクリックすると拡大します
パターンC  ※絵をクリックすると拡大します
パターンD  ※絵をクリックすると拡大します

 


介入課題(所要時間:2分)

イラストをおぼえてから問題に入るまで(手がかり再生)に一定時間を空けることが目的の課題ですので、この介入課題は採点されません。
回答時間が長くなると手がかり再生の回答に影響を及ぼすことから、時間は正確に計測されます。



手がかり再生(所要時間:約3分30秒)





時計描写(所要時間:2分)

物の位置を把握する能力(空間把握能力)について時計描画(指定する時間の記載を含む )を検査します。



検査用紙と問題用紙の回収から検査結果の通知(所要時間:7分)

検査用紙と問題用紙を回収・採点が行われます。検査結果は後日又はその場で書面で通知されます。

検査結果に書かれた点数をもとに、「記憶力・判断力が低くなっている方(認知症のおそれがある)」、「記憶力・判断力が少し低くなっている方(認知機能の低下のおそれがある)」、「記憶力・判断力に心配がない方(認知機能の低下のおそれがない)」と判定されます。

検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果であった場合

記憶力・判断力が低くなっている」との検査結果であっても、免許証の更新をすることはできます。直ちに、免許が取り消されるわけではありません。
ただし、「記憶力・判断力が低くなっている方」は、一定の期間に信号無視や一時不停止などの特定の交通違反がある場合には、警察から連絡があり、専門医による診断(臨時適性検査)を受けていただくことになります。又は医師の診断書を提出することになります。その診断結果で、「認知症である」と診断された場合は、免許が取り消されます。

高齢者講習では、記憶力・判断力に合わせた、わかりやすい講習が行なわれます。特に、車を運転するときには、検査の結果に基づいて、助言をしたり、その後、運転時の映像に基づいて個人指導を行ったりします。

検査結果について、不明な点がある方は、検査後に質問されるか、警察の運転免許の担当係に相談してください。

上記の検査を参考に、高齢者の周囲の方が検査員役として検査を進行していただくことをお薦めします。検査の方法は、「進行要領」(157KB)をご覧ください。

 進行要領は、検査員向けに作成したものですが、検査を体験する際の参考としてください。

認知機能検査採点基準

※下記ページをクリックすると拡大します

上記内容は警察庁のホームページを元に作成されています。詳細は各都道府県警察へお尋ねください。

また、楽天ブックスやamazon(アマゾン)で『知っておきたい75歳からの運転免許 認知機能検査と診断のしくみ』という書籍が販売されています。

認知機能検査検査の講習の様子

※検査員の方が1ページ1ページ問題を読み上げ、その答えを解答用紙に記入していくといった方法で、講習は進められていきます。

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