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私の祖父が認知症と診断されました。

前年に長年連れ添った祖母がくも膜下出血で突然倒れ帰らぬ人となりました。

祖母は当日朝まで元気に畑仕事をし、祖父の朝食を作って倒れ、祖父が最後まで傍にいたと言います。

祖父にしてみれば本当に突然の出来事にきっと心がついていかなかったのではないかと思います。

 

それから数か月、母が同居をして身の回りのことをしていたのですが、少しずつ様子が変わってきました。

食事を食べたことを覚えてない、部屋中の電気をつけっぱなしにする、食事をこぼすなどに始まり、家の中にいても家族である母を他人として扱いとても警戒するようになりました。

部屋に入るとすごい目で睨まれると言っていました。

 

当時一人息子である父は単身赴任中だったので週末しか家には帰れなかったのですが、

父が帰ると落ち着きを取り戻すようでした。

母は日ごろの祖父の様子を話しても父に伝わらないこともストレスになっていたようです。

病院で言われた注意点を参考に、祖父には食事をこぼしても注意しないなど日々変わる祖父の様子に気を付けながらできる限りのことはしましたが、いよいよ病院へ入院するようになりました。

入院してからは、だんだん近い記憶をなくしていくのが分かります。

自分の兄弟や近所の人は分かりますが、孫の私が会いに行っても誰だかわかりません。

夜中も付き添っていないと自分の家にいると勘違いして徘徊してしまうので、母もつきっきりです。

しかし、つきっきりの母のことを祖父は分かっていなかったようでした。

祖父は言語障害と麻痺が始まり、言葉がうまく話せません。しかし、頭ははっきりしているのでとても苦しそうでした。

そんな祖父を支える母の苦労も見るに堪えません。家族みんなが協力しあうことが絶対です。

分かってもらえないのはとても苦しいですが、最後まで納得できるよう祖父を看てあげられた、そう思えることがせめてもの救いになったと思います。