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施設で介護福祉士として働いていますが、認知症の方々への対応は本当に難しいものです。

認知症にも種類がありますが、一般的に多いのがアルツハイマー型認知症で、

よくある症状として「徘徊」「帰宅願望」があります。

勝手に外に出ていってしまうというのは本人にとっては意味のある行動で、例えば「息子が帰ってくるからご飯の支度をしないと」「娘が遊びにくるから準備する」「ペットが行方不明だから探しに行かなきゃ」など、なにか理由があってのことです。

施設にいる認知症の方の多くは「ここは私のいる場所じゃないから自宅に帰りたい」と話されます。

 

そんな「徘徊」「帰宅願望」への対策としては、もし知らない間に外出されてしまった時の為に、まず衣服や持ち物に利用者の名前や自宅や施設の連絡先を記入しておくことです。

施設などでは、認知症の方の今日の衣服を記録に残しておいたり、写真を撮っておいたりと対策を考えているところもあります。

もし自宅や施設で1人で外出しようとされている認知症の方がいたら、うまく声をかけて気をそらす必要があります。

まずはその状況を伺って気持ちを受け止めること、そしてなにか頼みごとや提案をして自然に連れ戻すのが良いでしょう。

その時に絶対にしてはいけないのが、無理に連れ戻したり否定をすることです。

そうすることによって、更に認知症が悪化してしまったり、徘徊がエスカレートしてしまう場合があります。

なので、例えば「そろそろお昼ご飯ですよ」「洗濯物を畳むの手伝ってもらえませんか」「ちょうど美味しい珈琲があるので一緒に飲みませんか」など、うまくお誘いしましょう。

誰もがなりたくて認知症になったわけではないですし、その想いを汲み取っていくことが認知症の方への気遣いだと思います。